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毛髪サプリ

以上をまとめると、特定のサプリメントによる毛髪量の増加効果について、質の高い研究データは不足している印象です。栄養バランスに偏りのない食事を摂取することが肝要であるといえるでしょう。

この試験では18〜60歳の男女38例が対象となり、2×2cmの領域における頭髪量が検討されました。その結果、試験開始時と比較して8カ月後では、トコトリエノール(100mg/日)群で34.5%の毛髪量増加が見られましたが、プラセボ群では-0.1%と増加は見られませんでした。

他方、ミノキシジル2%外用製剤群では頭髪密度が120.1 ± 9.7本/cm2 から132.3 ± 10.5 本/cm2、そして毛髪の直径が60 ± 3.1 μmから63 ± 3.0 μmと、いずれも有意に増加しました。また、亜鉛単独群では毛髪直径に関して、パントテン酸カルシウム単独では頭髪密度と毛髪の直径に関して、有意な変化を認めています。なお、ミノキシジルの有効性・安全性に関する詳細は後述します。

とはいえ、15~45歳の女性76例(平均28.9歳)を対象にしたランダム化比較試験9)では、亜鉛の経口摂取による頭髪の増加が示唆されました。この試験では、被験者を亜鉛とパントテン酸カルシウムの併用群(20例)、亜鉛単独群(18例)、パントテン酸カルシウム単独群(20例)、ミノキシジル2%外用製剤群(18例)の4群にランダム化しており、頭髪密度と毛髪の直径の変化が比較検討されています。

もちろん、これらの研究結果は、季節や気温の変化が抜け毛を増やすというような、因果関係を決定付けるものではありません。頭髪が抜け落ちる要因は多岐にわたるため、見かけ上の関連性(相関関係)にすぎない可能性もあります。とはいえ、動物の換毛と同様に、人間の毛髪についても、季節や温度と関連性があるという仮説が否定されたわけではなく、むしろ支持する結果となっています。例えば、夏に抜け毛の相談に来られた方については、状況に応じて、『今すぐ薬を使うのではなく、秋から冬になるまで様子を見てもよいかもしれない』という説明もできるでしょう。

人間の体表には約150万本の毛髪があり、そのうち頭髪は10万~15万本といわれています1)。頭髪は、生涯伸び続けているわけではなく、一定の期間を経ると自然に抜け落ち、抜け落ちた所からまた新しい髪が生えてくるというサイクルを繰り返しています。一般的には発毛周期などと呼ばれますが、このサイクルは成長期、退行期、休止期の3段階に分けることができます2)。

開発に至った経緯は、日本人の毛髪に適したサプリメントがないというところからスタートしました。 外国製のサプリメントで毛髪に特化したものもありますが、欧米人と私たち日本人とでは体質が異な るため、必要になる栄養素が若干異なります。そのため、日本人女性に必要な栄養素を厳選配合した オミアスは私たちが自信をもってお勧めするサプリメントです。

いずれの群においても、頭髪に有用な効果が示唆されていますが、亜鉛とパントテン酸カルシウム併用投与、亜鉛単独投与、パントテン酸カルシウム単独投与において、頭髪密度や毛髪の直径に対する有効性に一貫性が見られません【表2】。たまたま有意な差がついた可能性もあり(これを第1種の統計過誤と呼びます)、結果の解釈は慎重にすべきです。またこの試験は盲検化がなされておらず、試験参加者の行動が結果に影響を与えるようなバイアスを生んでいる可能性もあります。

ところで、毛の生え替わりの季節、なんていわれるように、抜け毛と季節には関連性があるように感じる方も多いでしょう。動物では、毛の生え替わりのことを換毛と呼び、換毛が起きる季節のことを換毛期といいます。換毛の目的は主に体温調節であり、当然ながら気温が上昇する時期に、毛髪量は少なくなります。

4カ月の治療の後、亜鉛とパントテン酸カルシウム併用群では、頭髪密度が118.6 ± 9.9 本/cm2 から 121.9 ± 11.1 本/cm2へと有意な増加を認めましたが、毛髪の直径に関しては増加傾向は見られたものの、有意な差はありませんでした。

厚生労働省の薬事工業生産動態調査によると、毛髪用剤の薬用シャンプー・リンス、育毛剤の生産金額は約569億円(前年比103%)で前年を上回っており、スカルプケア市場が右肩上がりで成長していることがうかがえる。

毛髪業大手のリーブ21が昨年11月、全国の10代~60代以上の男女4,800人を対象に実施した調査では、「抜け毛、薄毛、脱毛が進んでいる」と回答した男性は41%、女性では25%。全体では推定4,270万人と、日本人の約3 人に1 人が「頭皮に関する悩み」を抱えているという結果も。一昨年の調査からは約300万人も増加している状況だ。