抜毛症は精神疾患なので 医療機関に行けば治療できるかもしれません
抜毛症による脱毛は、ヘアサイクルが悪化しているわけではないので、毛を抜くことをやめれば自然と復活する可能性があります。
しかし、治療を受けなければ抜毛症の症状は悪化するので、脱毛状態も改善しません。
抜毛症の原因はストレスとされています。ただ、なぜストレスが毛を抜く行動を起こすのかはわかっていません。
また、女性の場合、月経の終期に合わせて症状が悪化したり改善したりすることがあるため、ホルモンが関係しているとの説もあります。
抜毛症の改善方法は、医療の力を借りることです。
治療法には薬物療法と認知行動療法があります。
抜毛症の患者さんも、毛がなくなることで外見が悪化することを苦にしています。そのため、精神衛生上も、毛が復活したほうがよいはずです。
抜毛症の患者さんは、精神科などの専門の治療を早期に受けたほうがよいでしょう。
認知行動療法とは、正しい行動を認識させて、間違った行動を減らしていく治療法です。
抜毛症の患者さんに対しては、まず、自分がしている毛を抜く行為を自覚してもらいます。つまり、抜毛症の患者さんでも、常に毛を抜いているわけではありません。そこで、抜いているときと抜いていないときを知ってもらうわけです。
次に、どのようなときに毛を抜くのか探ります。そして特定のストレスが生じたときに抜毛症が発生することがわかったら、そのストレス要因を取り除きます。
抜毛症は思春期の直前または直後に発症することが多く、発症確率は1、2%です。
患者さんの90%は女性とされています。
抜毛症は精神疾患なので、医療機関に行けば治療できるかもしれません。そして毛を抜く習慣が単なる癖でなく抜毛症であれば、医療機関でなければ治すことはできません。
ストレスが抜毛症を生み、抜毛症が見た目の悪化を生み、それがまたストレスになるという悪循環に陥る前に、医療の力を借りてください。
また、抜毛症は周りの人でも気がついてあげることができるので、やんわりと受診をアドバイスしてあげてみてはいかがでしょうか。
抜毛症の患者さんには、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」や「クロミプラミン」といった抗うつ薬が処方されることが多いでしょう。